自然の恵み - ものづくり日記 - 2006年3月25日「植林ツアーに参加、その1」
2006年3月25日「植林ツアーに参加、その1」

2006年3月25日「植林ツアーに参加、その1」

植林ツアーでは植林の体験はもちろんのこと、ワイルドクラフトで使用している木材、TSウッドハウス協同組合の木材がどのように生まれ、生産されているのかを見ていただくことを目的に開催しています。今回はオーガニック製品等を販売されている「ウェイズショップ」の皆さんにもご参加いただき、杉とケヤキの苗を植えてきました。

社会にやさしい生活雑貨店「ウェイズショップ」 はワイルドクラフトの家具も販売していただいているオンラインショップです。ショップのサイトはこちらです。http://www.ways.co.jp/

ツアー参加者は貸し切りバスに乗って神戸からやってきます。わたしはTSモデルハウスで合流するために現地で参加者を待っていると、午後二時過ぎにバスが到着しました。20名ほどの参加者を出迎え、ウェイズショップ店長の竹田さんとも再会することができました。

モデルハウスではTSの専務理事である和田さんによる自然乾燥杉の家の構造について説明があり、その後、ワイルドクラフトが製作したテーブルやチェア、子ども家具を展示している関係で、木の表情、肌ざわり、そして香りなど、五感で感じる無垢・無塗装の家具について、従来の家具との違いや、自然素材のメリット、デメリットなど、わたしから説明をさせていただき、モデルハウスを後にしました。

次は、那賀川下流域にある佐々木さんと三枝さんの製材所を見学して回ります。清流那賀川の最上流にあるのが木頭林業地帯で、那賀川下流域にはいくつもの製材所が点在しています。昔は山奥から杉丸太を町まで運ぶことはとても困難なことで(今でも困難)、切り出された丸太を運ぶ手段として「木頭杉一本乗り」という方法が生み出されました。人が杉丸太に乗って川を下り、町まで運んだそうです。杉丸太一本乗りは町の行事として今でもその技術は継承されています。

那賀川の土手にバスを止め、佐々木さんの製材所に入っていくと、樹齢60年を超える丸太が積んである風景が目に入ります。ここでは、主に「こもれび」という製品名の床材を生産しています。丸太は板に製材され、更に桟積み自然乾燥を行い、十分に乾燥された板は本実加工されて「こもれび」となって出荷されるのです。

なぜ樹齢60年以上の木を使うのか?それには理由があります。丈夫で長持ちする家や家具をつくるためには、十分に成長した木を使うことが重要です。杉は木目がはっきりしていて、やわらかい部分と堅い部分の差が激しい素材なので、辺材(樹皮に近く白い)と心材(淡い赤から黒褐色)の差がはっきりしています。伐採した切り株を見ると、周辺が白く中心部が赤くなっているのが分かります。白い部分が辺材で赤い部分が心材。辺材は樹皮から約20年の部分にあたります。つまり、樹齢40年の木は辺材部分が約20年で心材部分も約20年ということになり、全体に白っぽい印象を受けます。樹齢60年の木は心材部分が約40年もあり、赤みがちな感じになり、そして年数を積み重ねるごとに赤い部分が多くなっていきます。

辺材(白い部分)は栄養を蓄える働きがあり、水分と養分が多く、変色したり腐りやすいという特性があるので、「ものづくり」には適さないといわれています。また、心材(赤い部分)はすべての細胞が死んで固定化した部分なので、腐りにくく虫がつきにくい部分です。したがって、「ものづくり」をするときは、できるだけ心材部分を使うべきだと考えています。しかし、心材部分であっても、随と呼ばれる中心部分は未成熟な部分なので、使用目的によっては使わない方がいいとされています。つまり、樹齢40年の木を例にして説明すると、辺材部分と随と呼ばれる中心部分を取り去ってしまうと、「ものづくり」に適した部分がなくなってしまうことになります。

わたしたちが町の材木店で見かける杉材のほとんどが樹齢40〜50年程度で、60年以上のものを見る機会は少ないと思われます。利益を最優先した林業経営から考えると、年数が経てば経つほど台風などで倒れたりするリスクが多くなるので、早いうちに切って出荷したいと考えるようです。コスト意識も大切なことだと思いますが、林業家も材木店も住宅メーカーも自分たちの目先の都合で安い素材、安い素材と、そっちの方向に走っているような気がしてなりません。

合資会社 ワイルドクラフト
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